不定愁訴で高校に行けなくなってしまった佐藤さん(女子・仮名)の場合。毎日、頭痛・腹痛・しびれ・肩こり・めまいなどの症状が次々とやってくる。つらい日々を耐え忍んで高校に通っていました。しかし、ついに授業中にトイレに何度も行くほどの過敏性腸炎になり、授業を受けられなくなってしまいました。
お母さんもとても心配して「そんなにつらい思いまでしていかなくてもいいじゃないの、学校を休みなさい。」と言ってくれて休学。すると、今までの症状がうそのように引いていき、お医者さんが『学校をやめてよかったね』とまでおっしゃってくださいました。
佐藤さんは高校へ1年間通学、その後4月から休学し、直後の8月試験で高卒資格を取得。高校入学からわずか1年半で高認試験に合格し、高校に行く必要もなくなり退学しました。今は次の高等看護学校目指して勉強中です。
あのまま高校に行くことはできなかった‥‥。お母さんとも話してるんですけど、健康をとりもどせたことが何よりの幸福かな。しかも、1年間高校にいたおかげで高卒認定試験の受験科目が残りわずか3科目「世界史・地理・生物」だけになっていたのです。ラッキーでした。1年つらかったけど報われたと思いました。
サポートセンターは学校ではないので欠席とか遅刻という考え方がなく、プレッシャーがかかりませんでした。静かで清潔な教室で淡々と学習できました。何時間勉強してもいいので体調のいいときにサポートセンターでがんばって、気分の優れない時は休んで母とクッキーを作ったりしていました。
三つの学習プログラムが用意されていたので、それに沿ってマイペースで勉強を進めました。自分のペースでできるってこんなに楽しいんだってわかりました。知識がどんどん増えていって、過去問をやるたびに点数が上がっていくので自信もつきました。
担任の平野先生からは「まちがいなく合格できるから名前だけはわすれるな」という変なアドバイスをもらって「自分の名前を忘れたらあたしは16歳で認知症でしょ」って、笑いながら受験に向かいました。緊張もしないで、3つとも合格してあっけなく高卒資格が取れてしまいました。
まだ、高2の学年だったのに高卒資格がとれてしまってちょっと優越感もあるかな(笑)。でも、18歳にならないと有効じゃないらしいし、今は次の高等看護学校目指して勉強中です。私みたいな病気の子供たちが少しでも少なくなればいいなと思っています。
これからもサポートセンターで勉強して来年は看護師のタマゴになるぞ!